政府が2024年の紙幣改定により、一万円などの紙幣を2004年以来、20年ぶりに刷新する方針を固めたことが2019年4月8日に分かりました。
今後、刷新される予定の五千円紙幣の肖像画には「津田塾大学の創設者」である津田梅子(つだうめこ)の起用を検討しているとのことです。
裏面は、「藤の花」が描かれるそうです。
この記事では、新五千円札の肖像画起用を検討されている津田梅子についてどんな人物なのか、そして起用される理由についてまとめます。
目次
津田梅子(つだ うめこ) 1864〜1929年
津田塾大学の創設者。
1864年、佐倉藩士で農学者の津田仙の次女として、江戸・牛込に生まれる。
日本初の女子留学生として、6歳で岩倉使節団に同行して渡米(資料によっては「7歳」「8歳」との記載も)。キリスト教の洗礼を受け、11年にわたって米国で過ごす。
17歳で帰国し、華族女学校の教授に。24歳で再び渡米し、ペンシルバニア州のブリンマー大学で生物学を学ぶ。
ヘレン・ケラーやナイチンゲールとも面会。日本女性の高等教育のため、1900年に女子英学塾(のちの津田塾大学)を開校する。
1929年、鎌倉の別荘で死去。享年64歳。
津田塾大学(女子英学塾)の創設者
津田梅子は当時6歳で日本初の女性留学生としてアメリカに留学し、帰国後、女性が活躍できる社会を目指し、36歳で現在の津田塾大学である「女子英学塾」を創設しました。
1900年、津田梅子は女子英学塾(現 津田塾大学)を創立し、高い専門性と広い教養を身に付けたオールラウンドな女性の育成を目指し、女性の力量を男性と対等に協同しうるまで向上させることに尽くしました。明治日本の保守的な壁を目の前にしながらも、勇気・情熱・志をもって、私塾の創設、経営という先駆的な企図に挑戦し、その後の女性の社会参画に大きく貢献しました。
引用:津田塾大学(https://www.tsuda.ac.jp/aboutus/umeko-award/index.html)
「女子英学塾」では、それまで女子教育といえば花嫁修行が中心だった時代に、進歩的で自由なレベルの高い授業を取り入れたそうです。
女性は家庭に入るという当時、当たり前だった文化を覆すってすごいですね!
津田梅子が新五千円札の肖像画起用を検討された理由
津田梅子が新五千円紙幣の肖像画に起用を検討された理由は「世界に誇れる人物であること」や「偽造されにくいデザイン」という内容のほかに、
現行の五千円札の樋口一葉が肖像画に採用された背景にも理由がありました。
樋口一葉は日本初の職業女流作家として「春ごもり」や「竹くらべ」など世に残した作品は日本の近代文学史に大変な功績を残しました。
そして、樋口一葉は「日本の社会で女性の地位が向上し、男女共同参画社会が進むなど、新しい時代の流れを表すもの」として2004年の紙幣改定の際、千円札の肖像画に採用されました。
津田梅子も樋口一葉と同様に、女性の社会参画に大きく貢献した偉大な功績を残していることを考えると、
津田梅子が肖像画に選ばれる理由は
「日本の社会で女性の地位が向上し、男女共同参画社会が進むなど、新しい時代の流れを表すもの」に津田梅子が当てはまっていることが大きな理由だと考えられます。
お札の肖像はどのように選ばれるのですか?
肖像をはじめとするお札の様式は、通貨行政を担当している財務省、発行元の日本銀行、製造元の国立印刷局の三者で協議し、最終的には日本銀行法によって財務大臣が決めることになっています。 お札の肖像の選び方には、特別な制約はありませんが、おおよそ次のような理由で選定されています。
- 日本国民が世界に誇れる人物で、教科書に載っているなど、一般によく知られていること。
- 偽造防止の目的から、なるべく精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物であること。
こうして、現在のお札の肖像は、明治以降に活躍した文化人の中から選ばれています。 現在発行されているお札について、財務大臣は改刷当時、「優秀な科学技術国家として、世界に寄与し続ける日本のイメージを表すものとして野口英世を、日本の社会で女性の地位が向上し、男女共同参画社会が進むなど、新しい時代の流れを表すものとして樋口一葉を採用した」と説明していました。
お札のデザインに肖像が描かれているのは、人の顔や表情のわずかな違いにも気がつくという人間の目の特性を利用しています。
引用:独立行政法人 国立印刷局(https://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/index.html)
今後も女性の社会進出はどんどん進んでいくことを考えると、女性の社会参画に大きく尽力した津田梅子が選ばれるのは当然のことかもしれません。
五千円札の肖像画の変遷
五千円の肖像画の変遷も見ていきましょう。
2024年〜
平成16(2004)年11月1日〜
平成5(1993)年12月1日〜
昭和32(1957)年10月1日〜
従来の紙幣は金額が漢字で表記されていましたが、新しい紙幣からアラビア数字で表記されるようですね。
「五千円」から「5000」ってちょっと安っぽく見える気が、、
外国人がわかりやすいグローバルな表記にするという「ユニバーサルデザイン」がアラビア数字表記になる理由みたいです。
ユニバーサルデザインとは
文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指した建築(設備)・製品・情報などの設計(デザイン)のことである
「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインにすること」が基本コンセプトである
まとめ
2024年の紙幣改定により、新五千円札の肖像画起用を検討されている津田梅子についてどんな人物なのか、そして起用される理由についてまとめました。
津田梅子は当時6歳で日本初の女性留学生としてアメリカに留学し、帰国後、女性が活躍できる社会を目指し、36歳で現在の津田塾大学である「女子英学塾」を創設した人物で、
樋口一葉が肖像画に採用された理由「日本の社会で女性の地位が向上し、男女共同参画社会が進むなど、新しい時代の流れを表すもの」に津田梅子も当てはまっていることから新五千円札の肖像画としてふさわしい人物であると政府が判断したと考えられます。
2024年度上期を目処に流通させる方針だそうなので、楽しみに待ちましょう!