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新一万円札の人物は渋沢栄一!肖像画に選ばれた理由は?現みずほ銀行の創業者

新一万円札の画像

 

政府が2024年の紙幣改定により、一万円などの紙幣を2004年以来、20年ぶりに刷新する方針を固めたことが2019年4月8日に分かりました。

 

新五千円札の画像
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今後刷新される予定の一万円紙幣の肖像画には「資本主義の父」と呼ばれた実業家の渋沢栄一(しぶさわえいいち)の起用を検討しているとのことです。

新一万円札の画像

裏面は「東京駅丸の内駅舎」だそうです。

新一万円札の画像 東京駅丸の内駅舎の画像

 

 

そこで、この記事では、新一万円札の肖像画起用を検討されている渋沢栄一についてどんな人物なのか、そして起用される理由についてまとめます。

 

 

目次

渋沢 栄一 (しぶさわ えいいち) 1840〜1931年

渋沢栄一の画像

「日本資本主義の父」とも呼ばれる実業家。

1840年、現在の埼玉県深谷市に豪農の長男として生まれる。

尊王攘夷運動に参加し、高崎城の乗っ取りや横浜の異人館焼き打ちを企てるも中止。京都で一橋(徳川)慶喜の家臣となる。

27歳の時に、慶喜の弟・徳川昭武に随行し、パリの万国博覧会をはじめヨーロッパ各地を訪問。

明治維新後、新政府で貨幣・金融・財政制度の改革に尽力。退官後の1873年、第一国立銀行(現みずほ銀行)を開業。

「道徳経済合一」の理念のもと、東京ガス、王子製紙、東京海上、キリンビール、サッポロビール、帝国ホテルなど500社もの設立・育成に携わり、91歳で死去した。

 

「日本資本主義の父」と呼ばれる理由

 

渋沢栄一は現在でも大企業として生き残っているみずほ銀行やキリンビールなど数々の企業を設立しています。

このように、渋沢栄一は、日本の近代産業のありとあらゆる分野に及ぶ企業を500以上も設立したことで「日本資本主義の父」といわれました。

 

【渋沢栄一が設立した企業一覧】

第一国立銀行 (現:みずほ銀行)
日本興業銀行
東京海上保険会社(現:東京海上日動)
東京瓦斯 (現:東京ガス)
東洋製鉄
抄紙会社(現:王子製紙)
帝国ホテル
東京商工会議所
東京株式取引所
田園都市(現東京急行電鉄)
秩父セメント(現太平洋セメント)
秩父鉄道
京阪電気鉄道
キリンビール
サッポロビール
東洋紡績
大日本製糖
明治製糖
など500社以上設立

 

渋沢栄一が設立した企業を見ると、大企業ばかり、、これは「日本資本主義の父」と呼ばれるにふさわしい大実業家です!

 

 

むしろ、渋沢栄一が今まで紙幣の肖像画に選ばれていなかったのかが不思議ですが、

実は、過去に何度も肖像画への起用が検討されて採用が見送られていたんです!

 

何度も肖像画への採用が見送られてた

 

渋沢栄一は過去の偉大な功績が認められ、何度も紙幣の肖像画への起用が検討されていましたが、女性問題や性癖などが原因で、起用を見送られていた過去がありました。

仕事ぶりは真面目であるが、かなりの女好きであったと言われ、実際に妻以外に二人の女性(一人は愛人、もう一人は後に離婚・再婚し後妻になった。)との間に子供が七人(全員で10人)居た事が判明している。

また、当時としては珍しく多様な性癖があったとも伝えられており、この様な事から過去に何度も紙幣の肖像画への採用が検討されるも見送られてきた事がある。

 

日本史上を代表する経済人として、また初代紙幣頭(後の印刷局長)として日本銀行券(紙幣)の肖像の候補者として過去に何回か挙げられたものの実現には至っていない。特に日本銀行券C千円券(1963年11月1日発行開始)の肖像候補として最終選考に残ったが、結局伊藤博文が採用された。

引用:wikipedia(https://ja.wikipedia.org/wiki/渋沢栄一)

 

渋沢栄一の「当時としては珍しく多様な性癖」って、、気になりますが、、

 

女性問題が浮上して国民からの批判を懸念するのは今も昔も変わらないんですね。

 

新札に起用する際には、その人物の人間性や過去を考慮する必要があるので、新札の肖像画を選ぶのも大変です。

 

そんな、何度も紙幣の肖像画起用を見送られていた渋沢栄一ですが、

2024年の紙幣改定により新一万円紙幣の肖像画に起用されるかもしれません。

 

 

渋沢栄一が新一万円札の肖像画起用を検討された理由

渋沢栄一の画像

渋沢栄一が一万円紙幣の肖像画に起用を検討された理由は「世界に誇れる人物であること」や「偽造されにくいデザイン」という内容のほかに、

 

「世界に発信していきたい日本のイメージを表す人物」「これからの時代の流れを表す人物」渋沢栄一が当てはまっていることが大きな理由だと考えられます。

 

お札の肖像はどのように選ばれるのですか?

肖像をはじめとするお札の様式は、通貨行政を担当している財務省、発行元の日本銀行、製造元の国立印刷局の三者で協議し、最終的には日本銀行法によって財務大臣が決めることになっています。 お札の肖像の選び方には、特別な制約はありませんが、おおよそ次のような理由で選定されています。

  • 日本国民が世界に誇れる人物で、教科書に載っているなど、一般によく知られていること。
  • 偽造防止の目的から、なるべく精密な人物像の写真や絵画を入手できる人物であること。

こうして、現在のお札の肖像は、明治以降に活躍した文化人の中から選ばれています。 現在発行されているお札について、財務大臣は改刷当時、「優秀な科学技術国家として、世界に寄与し続ける日本のイメージを表すものとして野口英世を、日本の社会で女性の地位が向上し、男女共同参画社会が進むなど、新しい時代の流れを表すものとして樋口一葉を採用した」と説明していました。

お札のデザインに肖像が描かれているのは、人の顔や表情のわずかな違いにも気がつくという人間の目の特性を利用しています。

引用:独立行政法人 国立印刷局(https://www.npb.go.jp/ja/intro/faq/index.html)

 

 

日本は、2020年の東京五輪をきっかけに、グローバル化は今まで以上に促進され、これからの日本経済を発展させるためには、国外に新たな成長市場を築いていかなければなりません。

 

そんな、これから目指すべき日本を考えたとき、

閉鎖的で自分たちの利益を重視した財閥が主流だった時代に、「日本全体を良くしたい」という想いで開放的な経営を実践し「私利を追わず公益を図る」との考えを生涯に亘って貫き通した人物。

「渋沢栄一」が、これからの時代にふさわしい人物であると政府が判断したと考えられます。

 

グローバル化によって、企業はもちろん、人やお金、モノ、情報が国境を越えて広がりを見せています。その中で、財閥が主流だった戦前から、広い視点で開放的な経営をした渋沢が再び注目されているのです。

渋沢は純粋な公益の追求者であり、「日本全体を良くしたい」と切実に願っていたからであると考えられます。そしてそれこそが、今の経営者に求められる姿勢だと思います。

引用:国学院大学(https://www.kokugakuin.ac.jp/article/38738)

 

渋沢栄一は、過去に何度も紙幣の肖像画に検討されていたことを考えると、採用されるのも時間の問題だったのかもしれませんね。

 

一万円札の肖像画の変遷

 

一万円札の肖像画の変遷も見ていきましょう。

2024年〜

新一万円札の画像(表)渋沢栄一
新一万円札の画像(裏)東京駅丸の内駅舎

 

昭和59(1984)年11月1日〜

一万円札の画像(表)福沢諭吉
一万円札の画像(裏)雉

 

昭和33(1958)年12月1日〜

一万円札の画像(表)聖徳太子
一万円札の画像(裏)鳳凰

 

 

従来の紙幣は金額が漢字で表記されていましたが、新しい紙幣からアラビア数字で表記されるようですね。

 

「壱万円」から「10000」ってちょっと安っぽく見える気が、、

 

外国人がわかりやすいグローバルな表記にするという「ユニバーサルデザイン」がアラビア数字表記になる理由みたいです。

ユニバーサルデザインとは

文化・言語・国籍や年齢・性別などの違い、障害の有無や能力差などを問わずに利用できることを目指した建築(設備)・製品・情報などの設計(デザイン)のことである

「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインにすること」が基本コンセプトである

 

 

2004年11月1日から千円と五千円の肖像画が変更になりましたが、一万円札の肖像画は福沢諭吉のままでしたので、一万円に関しては40年ぶりの肖像画の変更になるんですね!

 

福沢諭吉だけ変わらなかった理由

 

2004年の紙幣の刷新のタイミングで福沢諭吉だけ変更にならなかった理由は明確ではありませんが、「小泉総理が変更に反対した」「もともと偽造しにくいデザイン」と言われています。

「当時の総理大臣だった慶應義塾大学出身の小泉純一郎さんが、福沢諭吉を変更することに反対した」

「福沢諭吉はもともと偽造しにくいから変更しなかった」

 

長らく一万円札の肖像画の変更はなかったので、歴代で一万円札の肖像画に選ばれたのは聖徳太子と福沢諭吉の2名のみとなります。

 

渋沢栄一は、お札の最高位にふさわしい人物ということでしょう。

 

 

まとめ

 

2024年の紙幣改定により、新一万円札の肖像画起用を検討されている渋沢栄一についてどんな人物なのか、そして起用される理由についてまとめました。

 

渋沢栄一は、日本の近代産業のありとあらゆる分野に及ぶ企業を500以上も設立した「日本資本主義の父」と呼ばれる人物で、

渋沢栄一の「過去の偉大な功績」と「これからの日本」を考えた際に、新一万円札の肖像画としてふさわしい人物であると政府が判断したからと考えられます。

 

2024年度上期めどに流通させる方針だそうなので、楽しみに待ちましょう!